アーユルヴェーダのドーシャ理論(ヴァータ・ピッタ・カパ)において、ギーは特にヴァータとピッタのバランスを整えるのに非常に優れた性質を持つとされています。その一方で、カパの性質はやや増加させる可能性もあるため、それぞれのドーシャとの関係性を理解し、適切に用いることが大切です。
ヴァータ(空・風)の鎮静
ヴァータの持つ乾燥性、冷性、軽性、不規則性といった性質を、ギーの持つ油性、そして豊かな滋養性が効果的に和らげます。神経系を落ち着かせ、不安や思考の過多を鎮めます。さらに消化を助け、関節や皮膚に潤いと柔軟性を与えます。ヴァータが乱れやすい方にとっては、ギーは心身を安定させ、グラウンディングを促す味方となります。
ピッタ(火・水)の鎮静
ピッタの持つ熱性、鋭性、油性(過剰な場合)といった性質を、ギーの持つ冷却性(過剰な熱をとる作用があります)と滋養性が穏やかにします。体内の過剰な熱や炎症を和らげ、消化力を適度に整えながら、胃腸の粘膜を保護する働きがあります。ピッタが過剰になりやすい方にとっては、ギーは心身の熱を鎮め、穏やかさをもたらす助けとなります。
カパ(水・地)への影響
カパは、重性、冷性、油性、滞性といった性質を持ちます。ギーもまた油性と滋養性を持つため、カパが元々優勢な方や、カパが増悪して体が重だるい、消化力が落ちている、粘液が多いといった状態の時には、ギーの摂取はカパをさらに増加させてしまう可能性があるため、控えるか、少量に留めたいところです。ただし、消化力(アグニ)が正常に働いて、他のドーシャとのバランスも考慮した上で、消化を助けるスパイス(例:生姜、黒胡椒、トリカトゥなど)と共に用いる場合には、体の組織を滋養し、オージャスを高める助けとなることもあります。
このように、ギーは特にヴァータとピッタのドーシャに対して優れた調整効果を発揮しますが、カパのドーシャに対しては、その時の状態や量、組み合わせるものによって影響が異なるため、とり方に工夫が必要です。アーユルヴェーダでは、ギーはその優れた薬効から様々な治療法や健康法に用いられてきましたが、それも個々の体質や状態に合わせています。