アーユルヴェーダにおける「ギー」とは?美容やライフスタイルへの嬉しい効果

アーユルヴェーダにおける「ギー」とは?美容やライフスタイルへの嬉しい効果

「ギー」と聞くと、料理に使うオイルというイメージが強いかもしれません。しかし、アーユルヴェーダでは、ギーは食用としてだけでなく、美容や健康維持、さらには神聖な儀式にも用いられる、まさに万能とも言える存在。心と体、そして生活を潤す優れた油です。

今回のコラムでは、ギーの持つ素晴らしい力と、なぜTULAVEDAがコスメの原料としてこの「ギー」に魅了されこだわってきたのか、についてお話しします。

ギーは、発酵無塩バターをゆっくりと加熱し煮詰めていく過程で、不要な水分やタンパク質などの不純物を取り除いた、純粋な油です。丁寧にゆっくりと加熱する過程で、ギーは消化しやすく、そして何よりも不純物のない「サットヴァ」な(純粋で調和のとれた)エネルギーを持つようになると考えられています。

アーユルヴェーダでは、食べもののエネルギーを「サットヴァ(純粋性・調和)」「ラジャス(活動性・激情)」「タマス(不活性・退行)」の3つのグナ(質)でみます。ギーはサットヴァな食品の一つとされ、心と体に穏やかさと明晰さをもたらすと言われています。

黄金色に輝くギーは、ほんのり甘く香ばしい香りで、常温で長期間保存できるほど安定性が高いことも特徴です。この安定性は、ギーが持つ「オージャス(活力の素となる最も純粋なエッセンス)」を高める力とも関連しています。

アーユルヴェーダのドーシャ理論(ヴァータ・ピッタ・カパ)において、ギーは特にヴァータとピッタのバランスを整えるのに非常に優れた性質を持つとされています。その一方で、カパの性質はやや増加させる可能性もあるため、それぞれのドーシャとの関係性を理解し、適切に用いることが大切です。

ヴァータ(空・風)の鎮静 

ヴァータの持つ乾燥性、冷性、軽性、不規則性といった性質を、ギーの持つ油性、そして豊かな滋養性が効果的に和らげます。神経系を落ち着かせ、不安や思考の過多を鎮めます。さらに消化を助け、関節や皮膚に潤いと柔軟性を与えます。ヴァータが乱れやすい方にとっては、ギーは心身を安定させ、グラウンディングを促す味方となります。

ピッタ(火・水)の鎮静

ピッタの持つ熱性、鋭性、油性(過剰な場合)といった性質を、ギーの持つ冷却性(過剰な熱をとる作用があります)と滋養性が穏やかにします。体内の過剰な熱や炎症を和らげ、消化力を適度に整えながら、胃腸の粘膜を保護する働きがあります。ピッタが過剰になりやすい方にとっては、ギーは心身の熱を鎮め、穏やかさをもたらす助けとなります。

カパ(水・地)への影響 

カパは、重性、冷性、油性、滞性といった性質を持ちます。ギーもまた油性と滋養性を持つため、カパが元々優勢な方や、カパが増悪して体が重だるい、消化力が落ちている、粘液が多いといった状態の時には、ギーの摂取はカパをさらに増加させてしまう可能性があるため、控えるか、少量に留めたいところです。ただし、消化力(アグニ)が正常に働いて、他のドーシャとのバランスも考慮した上で、消化を助けるスパイス(例:生姜、黒胡椒、トリカトゥなど)と共に用いる場合には、体の組織を滋養し、オージャスを高める助けとなることもあります。

このように、ギーは特にヴァータとピッタのドーシャに対して優れた調整効果を発揮しますが、カパのドーシャに対しては、その時の状態や量、組み合わせるものによって影響が異なるため、とり方に工夫が必要です。アーユルヴェーダでは、ギーはその優れた薬効から様々な治療法や健康法に用いられてきましたが、それも個々の体質や状態に合わせています。

アーユルヴェーダの経典に「ギーは使い方次第で、無数の効果を上げることができる」と書かれています。ここではその一部を紹介させていただきます。

消化力の向上

ギーは消化力を向上し、栄養の吸収を助けます。消化不良や便秘の改善に役立つとされています。例えば、ヴァータの乱れによる便秘には、「夜寝る前にホットミルクにギーを垂らして飲む」ことが勧められたりします。

脳機能のサポート

ギーは「知力を高める」油ともされています。脳に必要な栄養を供給し、記憶力や集中力を高め、精神的な明晰さをサポートすると言われています。

免疫力の向上

「オージャス」を高めるギーは、体の抵抗力を高め、病気にかかりにくい健やかな状態を維持するのを助けます。

精神安定

ギーの持つサットヴァなエネルギーは、心を落ち着かせ、ストレスや不安を和らげる効果が期待できます。リラックス効果を高め、穏やかな精神状態へと導きます。

このように、ギーは私たちの心身全体に深く働きかける「生命力を養うオイル」なのです。

食用としても素晴らしいギーですが、肌にも嬉しい効果を発揮します。

深く浸透し、内側から潤す

ギーは、肌の奥深くまで浸透しやすいという特徴があります。そのため、肌表面だけでなく、内側からしっかりと潤いを届け、インナードライに悩む肌や、刺激を感じやすい敏感肌にも優しい保湿力を発揮します。

外的刺激から守る

肌に塗布すると、ギーは通気性を保ちながらも、乾燥など外的刺激から肌を守る、薄く柔らかな保護膜を作ります。この膜が、肌の水分蒸発を防ぎ、バリア機能をサポートします。

肌荒れや赤みを穏やかに

ギーは過剰な熱を鎮静する働きを持つため、肌荒れや赤みのあるデリケートな肌にも優しく作用し、炎症を鎮め、健やかな状態へと導く手助けをします。

ふっくらと柔らかな肌へ

ギーの豊かな栄養が肌に行き渡ることで、肌が内側からふっくらと柔らかく整います。触れるたびに嬉しくなるような、もっちりとした感触が持続します。

ハリと輝くツヤをもたらす

ギーによるケアは、肌にハリを与え、自然で健康的なツヤを引き出し、肌が内側から輝くような印象を与えます。

まさにギーは、肌が必要としている滋養を与え、その人が本来持っている美しさを、やさしく力強く引き出してくれるのです。

ギーの魅力は、効果効能だけではありません。五感を通じて感じる心地よさもまた、ギーが特別な存在である理由の一つです。

ギーを肌にのせると、体温でじんわりと溶け、重たすぎず、まるで肌と一体化するように自然に馴染み、時間をかけてゆっくりと浸透していきます。そして、その際に、ほんのり甘く、まろやかで、どこかなつかしい香りがします。それは、濃厚なミルクのような、キャラメルのような、甘くやさしく温かい香りです。

この香りは、穏やかに心に染み渡り、日常の喧騒から離れリラックスへと誘ってくれます。例えば、睡眠の質が低下しているときに、ギーを瞼の上にのせくるくると優しく塗布してみてください。トロンとした重みとホッとする香りで、心身が緩み、入眠しやすい状態へと導かれることを体感できるはずです。

ギーは「心・体・精神すべてを癒すもの」。ギー特有のテクスチャーや香りも、心を緩ませ、穏やかな気持ちにさせてくれる大切な要素です。

「TULAVEDA」が数ある自然素材の中から、このギーを主要な成分として選び、製品に配合しているのには、深い想いがあります。

厳選した良質のギーが持つ、肌への素晴らしい効果と、心を満たす優しい五感への働きかけを、現代の忙しい日々を送る皆さまにお届けしたいと考えました。特に、敏感肌や乾燥肌に悩む方々にも安心してお使いいただけるよう、肌へのやさしさを第一に考えています。

ギーを配合したバームやクリームは、肌にのせると、時間をかけてゆっくりと溶け込むようになじみ、必要な潤いと栄養をしっかりと届けます。ギーが浸透してくると、肌表面はサラッとしながらも、内側からもっちりと弾力するような肌になります。

甘くやわらかな香りに包まれるスキンケアタイムは、ただのスキンケアの時間ではなく、自分自身を癒し緩め、心までしっとりと整える、肌を通して自分と丁寧に向き合うの時間になるはずです。

アーユルヴェーダでは、ギーは食用として消化を整えたり、体を滋養したり、目や鼻に用いたり(専門家の指導のもとでの点鼻やアイケアなど)するだけでなく、心身を浄化し、若々しさを保つためにも重宝されてきました。

日々のスキンケアにギーを取り入れることは、この古代からの叡智に触れ、自分自身と丁寧に向き合う時間を持つことでもあります。慌ただしい毎日の中で、ほんのひととき、ギーの温かな香りに包まれ、そのやさしい感触を肌で感じていく。スキンケアという毎日の習慣が、自分を大切にするための神聖なリチュアル(儀式)になっていきます。

肌に、そして心に、毎日ギーを。黄金のギーでのスキンケアタイムが、本来の自分らしい輝きをもたらしてくれる大切な時間になりますように。

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